2021/10/01

【まとめ】必見!電動キックボード・電動バイクを買う前に・・・

人通りの多いミナミの雨で、濡れた歩道を、二人乗りで、よそ見をしながら走って、人にぶつかり大ケガを負わせ、しかも逃亡・・・。↓

電動キックスケーターでひき逃げ、歩道の女性が首骨折…二人乗りの男逮捕

日本でも自転車と同様、大多数の人はルールや一般常識レベルのマナーをきちんと守り、整備して軽自動車税を払って自賠責保険にも入って乗っている訳ですが、こういうちょっとおツムが足りない人がひとり悪質な事故を起こすと、なんだか全てがヤバいモノ扱いされてしまう今の世の中・・・。とにかくまずは被害者の方の一刻も早い回復を願うばかりです。

さて、中国製がその大半を占めているであろう電動キックボード。欧米や(日本以外の)アジア各国では何年も前から普及が進み、都心の混雑・大気汚染・駐車場問題・満員電車の解消、コロナ対策など、都会を中心としたモビリティ改革の主役として貢献しつつあります。もちろん同様の問題は各国でも発生していますが、法令整備も並行して進められています。日本でも、国は一部のシェアサービス事業者さんたちと実証実験を行い、ようやく具体的なルール作りの方針についてアナウンスがなされたところです。

という訳で、日本の電動バイク・電動キックボードに関わる情報(関連法令、購入時のポイントなど)をまとめてみることにしました。今後随時追加・修正していく予定です。ただし、弁護士でもエンジニアでもないので誤りはあるかもしれません。ご指摘、大歓迎です。買うのも乗るのも改造するのも、全ては自己責任でお願いします

1.関連法令等

分からないことをインターネットで調べていると「○○法第△△条に定められている」と準拠法が紹介されていたりします。弁護士さんならずともお仕事によっては法律や契約書の文章に触れることはあると思います。なんだかとても理屈っぽいんですが決して読めないものではありません。ネット情報を鵜呑みにするのではなく、関係のあるこうした条文を一読して理解を深めておくことで、万一お巡りさんに呼び止められてもきちんとした説明がしやすいと思います。

電動バイクや電動キックボードを公道で乗る場合に関係する法令には以下のようなものがあります。
(1)道路交通法/施行令/施行規則
(2)道路運送車両法/施行令/施行規則
(3)道路運送車両の保安基準/道路運送車両の保安基準の細目を定める告示
(4)協定規則(日本語仮訳)

2.車両区分
電動バイクや電動キックボードを含むさまざまな車両の区分は、道路交通法や道路運送車両法で細かく定められています。両者で揃えて欲しいものですが・・・バラバラです(笑)。

原動機がモーターなど内燃機関以外の場合は排気量50ccを定格出力0.6kW(600W)に読み替えます(道路交通法施行規則第1条の2道路運送車両法施行規則第1条第2項など)。最近は高出力タイプも増えてきましたが、大半の電動バイクや電動キックボードは600W以下なので、道路交通法上は原動機付自転車、道路運送車両法上は第一種原動機付自転車に該当することになります。

3.購入時のポイント

(1)法令や保安基準をカバーできるか
ナンバープレートはあくまで軽自動車税の納税のための登録標に過ぎないので、ナンバーさえ付ければ自由に走って良い、という訳ではありません。公道を走るためには、車体や装備が法令や保安基準に準拠している必要があります。

公道走行可能を謳っていない電動バイクや電動キックボードを購入する場合は、こうした基準を満たしたパーツが付いているか、付いていないなら後付けができるか、といった点を確認・検討しておく必要があります。

主なポイントを整理してみました。

方向指示器
(ウィンカー)
最高速度が20km/h以上の場合、方向指示器を装備している必要があります。
前後に最低2つずつ備え、上下各15度、外側80度・内側20度、前後各30m先、左右100m先から確認できること、点滅速度は1分あたり60〜120回、左右の各方向指示器の照明部中心が15cm以上離れていること、などの決まりがあります(細目告示第265条各項)。
標準で装備されていない場合は、自転車用のものをうまく流用するか、バイク用のICフラッシャーリレーや汎用LEDなどで自作する必要があります。
標準で装備されていても、点滅しない(消灯時にもうっすら点灯(ゴースト点灯)が発生するものや、後部の両サイドのウインカーの間隔が15cmよりも狭いものなどがあるので注意が必要です。
ちなみに、最高速度20km/h未満で方向指示器を装備していない場合、左折・右折の都度、方向指示器の代わりに手信号で合図を発出する必要がありますが、特に電動キックボードの場合、ハンドルから手を離すとバランスを崩しやすいので、ウィンカーレス仕様は現実的ではないかもしれません。
後写鏡
(バックミラー)
鏡面が円形の場合はその直径が94mm以上150mm以下、円形以外の場合はその鏡面が120mmx200mmの長方形の中にすっぽり収まり、かつ鏡面の中に直径74mmの円がすっぽり入る大きさである必要があるほか、どちらの場合もさらに面積が69平方cm以上でなければならないという、どういう経緯か分かりませんがなんだかムダに複雑な決まりがあります。また取付位置は鏡面の中心が車体中心面から280mm以上離れていればOK。最高速度が50km/hの場合、ミラーは右側だけでも良いことになっています(細目告示第267条第2項、第3項、第4項第2号)。自転車用として売られているものも多いですが、上記サイズを満たすものは以外に少なく、バイク用として売られているものから選ぶ方がラクだと思います。
実際に乗ってみると分かりますが、電動キックボードの場合、頭部の上下左右への移動が思いのほか大きいので、実は後写鏡はあまり役立ちません。安全確認は振り返って自分の目で見て行う方が確実だったりします。
前照灯
(ヘッドランプ)
明るさ(夜間に前方40mの交通上の障害物を確認できる)、取付位置(上縁が地上から1.3m以下、下縁が同0.5m以上)、装着数(1,2個)の決まりがあるほか、「原動機が作動している場合に常に点灯している構造」である必要があります(細目告示第260条第2項第3号)。手動のライトスイッチがあってこれでオンオフできるのはNGとされます。
大抵のモデルにはUSB出力があるので、秋葉原などで売られているUSB直差しタイプのLEDライトを使うと、マシンの電源オンで自動点灯でき、上述の明るさに問題がなければ、保安基準を満たせると思います。
また、ガソリン車と違い電動車は信号待ちなどでは原動機が停止しています。その間は消灯していても構わないはずなので、振動検知型のライトでもOKかもしれません。ただ、自転車用でよく見かける振動検知型ライトは一緒に光センサーも付いているケースが多いので、センサーを隠して作動しないようにするなど対策をしないと日中は点灯せず、上述の「常時点灯」ルールに反する、ということになってしまいます。
尾灯
(テールランプ)
最高速度20km/h以上のモデルでは装備している必要があります。400m後方から確認でき、上下各15度・左右各80度(2つある場合は外側80度・内側20度)から見通せ、運転席席において消灯できない構造である(例外あり)、などの定めがあります(細目告示第262条各項)。
制動灯
(ブレーキランプ)
最高速度20km/h以上の場合、装備している必要があります。100m後方から確認でき、上下各15度・左右各45度(2つある場合は外側45度・内側10度)から見通せ、運転席席において消灯できない構造である(例外あり)、などの定めがあります(細目告示第263条各項)。
標準で装備されているモデルも多いですが、装備されていてもブレーキをかけると点滅するタイプのものは不可ですので、注意が必要です。
ナンバー、番号灯ナンバーをどうやって固定するかは考えておく必要があります。また、最高速度20km/h以上の場合、番号灯も必要です(細目告示第261条各項)。
制動装置
(ブレーキ)
昨今のトレンドを見ると、これが一番重要かもしれません。
法令では2系統のブレーキが必要(保安基準第61条第1項)とされていますが、10kg前後の軽量モデルに多い電子ブレーキは認められないので注意が必要です。2020年以降、Kintoneやドンキホーテなど有名店が公道対応として発売していたモデルが、電気ブレーキがNGとして販売休止に追い込まれ問題となりました(Kintoneのリリースドンキホーテのリリース)。ブレーキは「平坦な舗装路面等で確実に当該原動機付自転車を停止状態に保持できるもの」(保安基準第61条第1項)との定めがありますが、電子ブレーキはこれに該当しない、と判断されたものです(ドンキホーテは理由を明言していませんが、同様と思われます(ソースはSRADの記事→最後の形式認定番号ない、というのは違うかも。業者さんが形式認定を取っているなら必要ですが、並行輸入なら不要だと思います))。
現在も同種のモデルが公道走行可能として販売されているケースがありますが、万一検挙されても抗弁できない可能性があるので、注意が必要です。電子ブレーキのモデルを購入してしまうと、電子ブレーキを物理ブレーキ(ドラム式やディスク式など)に改造しないと公道は走れませんが極めてハードルが高くなります。
その他大半のモデルには標準で装備されていると思いますが、速度計や後部反射器、警音器(クラクション)なども装備が必要です。


(2)欲しい性能を備えているか
性能面での購入前チェックポイントは、モーターのパワーとバッテリーの容量です。

モーターのパワーはW(ワット)で表現されます。250〜350Wのモデルが多く販売されていますが、体重80kgの私の場合、350Wのモデル(ペダルのある電動バイク)は比較的急な坂に来るとモーターだけでは上がれず(ペダルを漕げばOK)、若干力不足に感じることがありました。また、最高速度は25km/h程度と自転車と変わらないため、クルマが多く走る大通りなどでは速度差がありあまり流れに乗ることができませんし、たまにロードレーサーに抜かれたりするとちょっとテンション下がります(笑)。

一方で、2台目に購入した500Wのモデル(こちらは電動キックボード)は、個人的にはベストバランスでした。急な坂でも登れますし、最高速度も45km/h以上出るため(ただし原付一種なので30km/h以上はスピード違反です)、車両感覚・スピード感覚としては50ccのスクーターに近く、クルマの流れに合わせて走ることが可能です。

バッテリーの容量は、Wh(ワット時)で表されます。当たり前ですが、大容量であればあるほど1回の充電で走れる距離が長くなります。実測では、350Wの電動バイクは36V×23.2Ah=835Whで約33km、500Wの電動キックボードは48V×13.0Ah=624Whで約25kmでした。どちらも本体の重量は20kg前後です。


(3)サポート体制
ネットで購入するケースが多いと思いますが、保証があったとしても製品の返送は現実的ではありませんし、タイヤがパンクしても自転車店・バイク店ともに修理は受け付けてくれません。タイヤは基本的には自転車と同じです。パンク修理工具セットは百円ショップで買えますし、タイヤやチューブはサイズが合えばミニベロや子供用自転車のそれが使えます。

基幹パーツの故障が心配ですが、モーター、バッテリー、コントローラー、レバー、灯火類などは、(例えば自作PCのように)ある程度規格化が進んできているようで、Amazonなどでも販売されているのをよく見かけます。まだ経験はありませんが、もし故障したらこうしたパーツを取り寄せてDIYでやってみる、というのも楽しいかもしれません。

私の購入した電動バイク(初号機/inmotionP2F)電動キックボード(2号機/Joyor YS-5)は、製品自体はとてもよくできていて、例えばモーターが回らないとかフレームが曲がったとか部品が外れたとか、一昔前の中華製品でイメージするような不具合はまだ一度もありません。いろんなメーカーが競争しながら世界各国で販売し使われているので当たり前といえば当たり前ですが・・・。

以上の点について割り切りができなさそうなら、ちょっと割高にはなりますが、公道走行対応を謳うマシンを扱っている実店舗での購入を検討するのもひとつの選択肢だと思います。


(4)販売証明書を発行してもらえるか
原付の登録は市役所や区役所などで行いますが、その際に「販売証明書」があると登録がスムーズです。自治体にもよると思いますが、販売証明書がないと登録ができない、もしくは非常に手間がかかるというケースもあるようです。

発行してくれるかどうかは販売店によりまちまちです。登録ができなかったら元も子もないので、購入前に前に必ず確認しておく方が良いと思います。


4.コスト

(1)マシン本体
(更新中/しばらくお待ちください)

(2)カスタマイズ
(更新中/しばらくお待ちください)

(3)軽自動車税
(更新中/しばらくお待ちください)

(4)自賠責保険
(更新中/しばらくお待ちください)



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